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独特の世界観が魅力的!日本人に似ている?Bjork(ビョーク)のおすすめ曲5選!

今回は、私の大好きな歌手ビョークの魅力について掘り下げていきたいと思います。

 

Bjorkビョーク)とは

アイスランド歌手シンガーソングライター音楽プロデューサー作詞家作曲家編曲家女優

様々なジャンルの音楽に影響を受けた革新的な音楽を生み出すことで知られ、
グラミー賞に12回、アカデミー賞に1回ノミネートされるなど多数の賞を獲得している。

2000年ミュージカル映画ダンサー・イン・ザ・ダーク』に主演。ゴールデングローブ賞主演女優賞、最優秀オリジナル・ソング賞にノミネート。カンヌ国際映画祭パルム・ドール最優秀女優賞を受賞した。

Wikipediaより)

 

ビョークは上記の通り、数多くの実績を持つすばらしいアーティストです。

歌はそんなに知らないけど映画なら見たよ!という方も多いかもしれませんね。
ザ・鬱映画と呼ばれる『ダンサーインザダーク』は人によって賛否両論ありますが、展開はどうあれ、彼女の演技力と独特の歌唱力の光るすばらしい作品であると個人的には思います。

 

ビョークはすごく東洋的な…言わば「日本人っぽい」顔立ちをしています。(実際には東洋の血はまったく入っていないそうですが)

こちらがデビューアルバム。(このジャケ写めちゃくちゃ可愛い!)

 

ビョーク自身も若い頃から「日本人に似ているね」と周囲に指摘されることが多かったそうで、日本という国や文化に対し自然と強い興味を抱くようになったといいます。

三島由紀夫などの日本文学を読んでいたり、日本映画に感銘を受けたりもしたそう。
アーティストとなった現在も、日本のアーティストとコラボする機会も多いようですね。

ビョークの魅力はその何とも形容しがたい独特の声質、そして身をひきしぼるような歌い方にあると私は思っています。

本当になんともいえない絶妙な声なんですよね。
すごく幼い女の子が歌っているように聞こえることもあれば、年老いたおばあさんが歌っているように聞こえることもある。

 

発声のしかたも、ささやくようだったり、魂の叫びのような迫力を感じさせることもあったり、はたまた人ではない、鳥とか獣のような野性味を感じさせるような響きを帯びていたり。


今回はビョークのおすすめ曲の特徴と魅力を紹介するのでぜひ聴いてみてくださいね。

おすすめ曲5選

①Hyperballad (ハイパーバラッド)

私的ビョークナンバーワンはこの曲です!
ファンのあいだでもかなりの人気を誇る曲ですし、彼女が来日した際にフジロックでも歌われていた曲なので、特別ファンでない方でも知っている人は多いかもしれませんね。

一番好きなのに、どこがどう良いのかと問われるとうまく答えられない。
強いて言えば、聴いているうちにどこかに吸い込まれていく感じがいいのかもしれない。
静かで暗い、深い穴の底のような遠いところに。


下記が和訳です。

Hyperballad (ハイパーバラッド)和訳

あたしたちは山に住んでるの 山のてっぺんに
みえる景色はとってもきれいよ 山のてっぺんだからね

毎朝 あたしは崖のほうに向かってあるくの
そして いろんなちっちゃなものを投げ捨てる
たとえば 車の部品とかビンとか食器とか
そこらにあるものを なんでも
それが習慣なの 一日を始めるための

あたしはいつもこれを耐え抜いているのよ あなたが目覚める前に
そうするとね あなたと過ごす時間を よりしあわせに感じられるの

ほんとに朝早くよ 誰もおきてないの
いつものように崖へ
それで いつものようにいろいろ投げ捨てるの

あたしは耳を澄ませる それらが落ちてゆく音に
あたしは目で追う それらが壊れるまで
想像してみる あんな岩に当たったら
あたしの身体は どんな音がするんだろう?と。
地面にぶつかったとき
あたしの目は とじてる? あいてる?

あたしはいつもこれを耐え抜いているのよ あなたが目覚める前に…(くりかえし)


面白い歌詞ですよね。
ちょっと物語性が強い上に、寓話っぽい雰囲気もある。

「あなたが目覚める前にいろいろ投げ捨てる」というのは一体何の比喩なのでしょうか。
個人的には長くいっしょにいることで否応なく溜まっていく小さな不平不満や、あるいは相手に対する愚痴や、どうしても流せない嫌な部分といったものなのかなあと思っていますが。

「あなた」の目がないところで、それらを投げ捨てる。
そうすればより楽しくいっしょに居られるから。


歌詞もすばらしいけれど、どうしてもこれだけでは魅力が伝わらないんですよね。
ビョークのあの歌い方…可愛らしさと狂気性の入り混じった独特の声があってのすばらしさを実際に感じていただきたい。Youtubeで聴けるので、ぜひお暇なときにでも。


 

②all is full of love

この曲に関してはぜひともミュージックビデオの映像付きで聴くことをおすすめします。


ビョークのミュージックビデオって、そもそもがストーリー性にあふれていたり、
かなり独特な雰囲気に満ちていたりするのですけれど、その中でも個人的にもっとも印象に残っているMVです。

雰囲気としてはThe SFという感じ。これは、たとえばガンダム攻殻機動隊みたいな世界観が好みの人であればものすごくハマるんじゃないかと思います。

二人(?)のロボットが、機械室っぽいところで向き合っている。
やがて抱き合い、キスを交わす。互いの身体に手を這わせる。

映像全体の「機械っぽさ」と、ロボットどうしの「ものすごく人間じみた愛情表現」がなんともミスマッチで、いい意味でとても気持ち悪いのです。

曲調は、明るさと静けさが共存している感じ。
つまり決して「激しい曲」ではないのだけど、妙な激しさも感じますね。

all is full of loveーーすべては愛に満ちている。

これはきっと、静かに澄んだ愛情の曲です。 

③ joga(ヨーガ)

これまた不思議な曲。

ミュージックビデオでは、雄大な自然の風景が延々と映し出されます。

ゆらゆら揺れる地面。
ガラガラとひびわれる大地。

一見それっぽくないんですが、歌詞をじっくり読んでみると、これって恋の歌なんですね。
いや、「恋」というより、やっぱり「愛」のほうがしっくりくるのかな。
だれかひとりの人に対する、深い深い思慕の念。

State of emergency
How beautiful to be!
State  of emergency
Is  where I want to be…  (歌詞一部)

緊急事態…なんてうつくしい!
緊急事態…これこそわたしの望む場所…

この部分が、この曲では何度も繰り返されます。

歌詞だけをみると、癒しを得られるような言葉、表現は微塵もないのに、これはやっぱり癒しの歌です。
「あなたはひとりじゃない」みたいな安っぽい歌詞はひとつもないのに、言外にそれがびんびん伝わってくる。

すごい歌です。

④ Human Behaviour

曲の出だし…
「もしあなたが人間のようでありたいのなら、困惑する覚悟をしてね
人間のふるまいには 論理なんか全然ないのよ」(意訳)

歌詞から鑑みるにこれはおそらく「動物目線から見た人間」を描いたものと推測できます。

「人間はぜんぜんロジカル(論理的)じゃない!!」

いや、面白い。そしてミュージックビデオのビョークがただただ可愛い。

 

⑤army of me

この曲はビョークの3枚目のアルバム「Post」のリードシングルです。

ここまで書いてきた通り、ビョークの曲というのはどこか不思議でつかみどころのない雰囲気があり、物語性も高いものが多いです。
…が、この「army of me」についてはむしろその逆で、とにかくびっくりするくらいに直球なのが最大の特徴と言えます。歌詞も、歌い方も。

 

And if you complain once more
You,ll meet an army of me (歌詞一部)

もう面倒見切れないわ
これ以上文句を言うなら
わたしの軍隊を送り込んでやるから

 

歌詞の内容としては、何度忠告してもいっこうに動きだそうとしない相手に対する「最終通告」といった感じ。

一方で、MVは非常に不可思議なもの。
ゴリラの歯科医のもとで、歯の診察を受けるビョーク
口内に仕込んだダイヤモンド(?)を奪われそうになり、ゴリラと戦う。笑

MVだけを見れば「The  夢の中の世界」といった雰囲気でありながら、歌詞はどこまでも現実的なのが面白い。リスナーはなんとか頑張ってついていこうとするが、結局はどうしてもついていけないほど不可思議な世界観。

これぞビョーク!という感じです。

 

ビョークの魅力はどこにあるのか

ビョークの声ははたして癒しボイスなのか、あるいはパワーボイスなのかとたびたび考えてみるが、どうしても結論は「よく分からない」に行きついてしまう。

明確な答えを得るたびに再びビョークを聴いてみるが、結論は「何でもいいからずっと聴いていたい」。

これがビョーク。これぞビョーク

 

 

 

それでは、今日はこのへんで。