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『暁のヨナ』ネタバレ感想と考察 腹黒キャラなケイシュク参謀について考える


今回は当シリーズ内ではやたら嫌われがちな腹黒キャラ ケイシュクさんについて考えてみました。

 

 

ケイシュクさんはいったいなぜにこれほど嫌われるのでしょうね。ちなみに私が彼を「嫌われキャラ」と認定している根拠は「暁のヨナ」が読める漫画アプリ、LINEマンガなどのコメント欄にならぶファンの方々の感想コメントが主なところなのですが…


いやしかしケイシュクさんはたぶん皆がいうほど悪いやつじゃないよ!というところから、今回はいろいろと考察していきます。

 

嫌われる原因を全力で考えてみた

①ビジュアル

「人は見た目がすべて」なんて思ってはいませんが、少なくとも「絵」ひとつで成り立っている漫画の世界では、キャラの見た目というのはなかなかに重要な要素であるといえるでしょう。

ケイシュクさんは…悲しいかな、いわゆる「悪人顔」をしています。笑

常に目元や表情に険があり、話し方も態度も、基本的には取り付く島もないといった感じで、さらには三白眼。これは、人相学ではまさしく”凶相”とよばれているやつですね。

普段はほとんど表情を変えない。笑顔が見られるのは何らかの取引の際、あるいは相手をあざ笑うような場面においてだけ。

考えれば考えるほど、人に好感を持たれにくいビジュアルであることはもはや否定できません。まあキャラクター性を考えると最適なビジュアル設定ではないかと思いますが。

 

②ハクヨナ四龍に対する態度

私たち読者は、基本的にはヒロインであるヨナ姫、あるいはメインヒーローであるハクの立場・視点からストーリーを追っています。それを前提に考えると、むしろケイシュクさんを嫌いにならないほうが不自然と言えるのかもしれません。


なにしろ彼は、隙あらばヨナ姫とハクを亡き者にしようとする。さらには読者に大人気の「四龍」を、ただの便利な駒としか考えていないような態度。

これもまあ、「ケイシュクふざけんな!」となる読者側の気持ちもわからないでもないのですが…でも、ここでひとつ思い出していただきたい。

ケイシュクさんのお仕事は他でもない「参謀」なんです。

 

 

ケイシュクさんは意外とそんなに悪いキャラでもない

私は作品が始まったばかりの初期の頃、ケイシュク参謀のことを「私利私欲にまみれた腹黒キャラ」であるとばかり思っていました。この手の王国もののお話であれば、大概はそういうどこまでもあくどいキャラクターが一人くらいはいるもんですし。

まあおそらくは彼が幼き日のスウォンを焚きつけて「国のためにもイル王を生かしておいてはいけない」とか言いくるめて、自分の思い通りに事が進んだところで一人甘い汁をすってやろう的な魂胆のもとに動いているんじゃないかな、と。

 

しかしながら実際のところ、彼はそこまであくどい人物ではありません。蓋を開けてみれば、ケイシュクの過去についても、要はユホンに目をかけてもらって何とか今の地位にのし上がった、だからユホンを殺したイル王が憎い…程度のものでしたしね。

これは見方によっちゃ、イル王に目をかけてもらってヨナ姫の専属護衛の地位についていたハクと立場的にはそれほど変わらない。

 

 

 



もしもユホンが王になっていたとして、彼がひそかにイルを殺害し、ヨナはその事実をを知っているがスウォンは知らない…という世界線だったとしたら。そして、とあるスウォンの誕生日に、ヨナがユホン王を弑逆し、スウォンのすべてを奪ったーー。

というような展開であれば、ハクは確実に現在のケイシュクの立ち位置にいたのではないでしょうか。というかこの展開も普通に見てみたい。いやまあこんなタラればを語っても仕方ないんですが。。


とにかく、なんだかんだでケイシュクさんは「国のこと」だけを考えている。「国のため」になるようであれば、憎きイル王の娘ヨナも、その仲間たちのことも、全力で「利用する」方向で動くという行動原理が見られます。


つまり私怨 < 国の姿勢だけは絶対に崩す意思がないんですよね。そこはほんとうに徹底していると思います。

感情に左右されない、というところではケイシュク参謀はハクやスウォンをむしろ上回るレベルなのではないでしょうか。これは「参謀」という立場としては、何より大事なことなんですよね。


こういう見方をする人は少ないのか、あるいはそうでもないのかわかりませんが、私にとってケイシュクさんは言わば「仕事のできる人」「仕事熱心な重役」「思ってたよりいい人」という印象です。

今後も楽しみに見守っていきたいと思います。



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それでは、今日はこのへんで。