今回のMVPは間違いなくメイニャンさんでしょうね。
いや、彼女はつくづく「自由人」だなあ…と。笑
メイニャンの自由さに惚れる
今回の話でまず明らかになったのは、ここまであまり強調されてこなかったメイニャンの特性です。
元寵姫である、そして女将軍だった…という「属性」までは作中にて明確に描かれていましたね。そして現在の名義は”敗戦国側の主要人物”というところでしょうか。ということは、本来彼女はすでにこの世にいてはいけない立場であることはほぼ確定しているわけです。
要はヨナスウォンの「温情」によって生かされているご身分であるというのに、つまり今日明日にでも交渉用の手駒にされかねないような身の上なのにまさかのまさか、嬉々として城下町に遊びに行ってしまう。
まあ突っ込みどころは満載だけども、ビバ自由!というはっちゃけた空気感が最高でしたね。笑
個人的にはこういう部分が「暁のヨナ」という作品のいいところ、すなわち人気の理由なのではと思っております。
なんというか、シビアなのだけど、シビアすぎない。
本来ならありえないような展開でも、描かなければならない重要要素があるなら(ここではメイニャン関連)、そこをあっさりくつがえす。
今回の場合であれば、メイニャンを城から出さないと話進まない…じゃあもう出してしまえ!みたいなところですよね。
シビア展開でも「窮屈すぎる」読後感にならないのは、こういった思考発想の柔軟さが作品根底にあるためだと言えるでしょう。
だからこそ、これだけ長いこと作品が続いているのに、作中の勢い感・スピード感というものは初期と変わらず、そこに魅了されている読者も多いのでしょうね。
ヒロインヨナとメイニャンのちがい
「訳アリの姫」であり「国に戻れない(戻れなかった)」という点で、メイニャンとヨナは同類なのではないか、つまりなかなかに ”似たものどうし”なのではないかと、メイニャン登場当初はなんとなく思っていたのですけれども、ここにきてようやくこの二人の明確な違いが浮き彫りになってきたように思います。
メイニャンは、少なくともヨナ姫と比べると思考発想がわりと自由で、立場とかしがらみに縛られることを、全身全霊で拒否しているような印象があります。
たとえばヨナ姫がメイニャンの立場に置かれたら、「あとあと立場が悪くなることをわかっていて城を抜け出す」ような行動には、絶対出ないと思うのですよね。
その行動によって仲間のだれかが救われる…とかそういう事情のない限りは。
一方のヨナ姫は「姫時代」はわがままでやりたい放題だったように描かれてはいますが、実際のところはいろいろ我慢している面も大きいわけですよね。幼い時分に母を亡くし、遊び相手もハクとスウォンくらいしかいなくて。
要は、小さいときから「損得勘定」することを知っている。
こういった書き方をすると、ではメイニャンは相当なわがまま娘なのかということになってしまいますが、決してそうではない。むしろ器用な生き方ができるのは断然彼女のほうだと言えるのではないでしょうか。
メイニャンは、「自分の利のための我慢」「自分だけのために考えて、動く」のが、ヨナより数段上手い。それこそ、そういう「損得」を考えられないと寵姫という立場になどにならないでしょうしね。性質だけを考えれば、女将軍のほうが絶対性に合っていたと思われます。
誤解を恐れずにいえば、ヨナ姫は”器用貧乏タイプ”であり、メイニャンは”やり手実業家タイプ”というところではないでしょうか。しかしこの例えが正しいなら、当然ヨナにくらべるとメイニャンのほうが「行動にともなうリスク」は高くなるはずです。
そういう視点でみるならば、あるいはメイニャンもなかなかの「ヒロイン体質」であることは間違いないと思いますね。
・姫要素(ヨナ)
・緋の病(スウォン)
・将軍(ハク)
上記の通りこれだけメインの登場人物と属性が被っていながら、決して存在感が薄いわけでもなく、また強すぎるわけでもなく…
要は、読者に「新たなる展開」を期待させるには十分のポテンシャルをそなえていると思うのです。
〇こちらもどうぞ
漫画-暁のヨナ カテゴリーの記事一覧 - 疲れたときほど本を読みましょう
それでは、今日はこのへんで。