疲れたときほど本を読みましょう

文学とエンタメが日々の癒し。 好きな作品の感想や日々のあれこれをマイペースに綴ります。

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内澤旬子『飼い喰い――三匹の豚とわたし』感想 三匹の子豚を自ら飼育し、自ら食す。

イラストルポライターの内澤旬子さんの著書『飼い喰い――三匹の豚とわたし』を読みました。すごかった。色々とすごかった。 私は普段小説ばかりを読んでいてノンフィクションものはそんなに読みませんが、これは本当読んで良かったなあと思います。単純に読み…

川上弘美『センセイの鞄』感想 「教師と教え子」の年の差恋愛をまっすぐ描いた物語 

川上弘美さんの文章は基本的にシンプルなのに濃密な空気が伝わってくるような独特の雰囲気と勢いがあり、すごく好きなのでよく読んでいます。 今回は映画化、漫画化もされている人気作『センセイの鞄』を読んだ感想をまとめました。

ヘルマン・ヘッセ「車輪の下に」感想 ヘッセ自身の少年時代を投影した自伝的長編小説

著者のヘルマンヘッセはドイツ文学を代表する文学者であり、1946年にノーベル平和賞を受賞しています。

鈴木光司『らせん』感想 『リング2』との違いは?「リング」シリーズの1つの世界線

『らせん』を今さらながら読みました。鈴木光司さんの名作であり、日本のサスペンスホラーの金字塔である「リング」シリーズのもととなった小説です。

【衝撃作】乙一『夏と花火と私の死体』感想(ネタバレあり)死体目線で淡々と綴られる斬新ホラー

奇才と呼ばれる乙一さんのデビュー作「夏と花火と私の死体」は、一応はホラー小説にカテゴライズされるものの、なぜか定期的に読みたくなるような懐かしさと安定の面白さを秘めている作品だと思います。

ルシア・ベルリン作品集『すべての月、すべての年』感想 孤独と愛情に彩られた強烈な筆致

『掃除婦のための手引き書』に次いで発売されたルシア・ベルリンの作品集『すべての月、すべての年』を最近ようやく読破することができました。

【衝撃作】東野圭吾『赤い指』感想(ネタバレあり)加害者 直巳の台詞「親が悪いんだ」の意味を考える

東野圭吾の代表作の一つ『赤い指』は、著者が直木賞受賞後にはじめて発表した長編小説です。 人気ドラマ「新参者」のスペシャル版としてドラマ化もされているので、原作は読んでいないけど大方のストーリーは知っているという人も多いでしょう。

梨木香歩『西の魔女が死んだ』感想 魔女修行はしあわせに生きるための一歩

「西の魔女が死んだ」。あらためて見てみると、なかなかにインパクトのあるタイトルだなあという気がしますね。

伊坂幸太郎『重力ピエロ』感想 重力という名の常識は、本当に真実か?

今回は 伊坂幸太郎さんの名作『重力ピエロ』の感想をまとめました。 ミステリーというジャンルは、ちょっと独特なんですよね。情緒的な部分よりは伏線やミスリードなどのいわゆる「引っ掛け」が重視されるところもあるためか、書き手によっては一見「文学」…

川端康成『雪国』感想 「君はいい女だよ」の意味とは?泣くほど怒った駒子を考える

最近、『雪国』を読み返しました。昔は何気なく読みとばしていたような箇所が、何年かを経て読むと全然違って見えてくることがありますね。駒子は、いったいどんな想いで島村と過ごしていたんだろうか。

【衝撃作】村上龍『限りなく透明に近いブルー』感想と考察 退廃的な生活の陰にあるものとは?

群像新人文学賞、芥川賞のW受賞を果たした本書は、村上龍のデビュー作でもあります。 『限りなく透明に近いブルー』ーー何とも綺麗な響きのあるタイトルですが、描かれているのはきわめて退廃的な生活を送る若者たちの虚無と絶望です。ちなみに初期のタイト…

『卒業式まで死にません―女子高生南条あやの日記』彼女が今も生きていたら、どんな文章を届けてくれたのだろうか

南条あやさん。彼女が今も生きていたら、と時々ふと考えてしまう。 つくづく不思議な魅力の宿る文章を書く方だったなぁと思います。

中島らも・人生のエッセイ『その日の天使』~ The day's divinity, The day's angel~

今週のお題「人生最大のピンチ」 本好きな人なら、「この人の書いたものがこの世にある限りは、まぁ何とかやっていけるかもなぁ…」と思うくらい熱狂的に好きな物書きさんが、ひとりやふたりくらいはいるんじゃないかなと思います。

(ネタバレあり)東野圭吾『白夜行』ドラマ版は原作小説とどう違う?徹底比較!

東野圭吾原作『白夜行』。 このドラマ版の衝撃は本当にどれだけ時がたっても、まったく色あせませんね。仮に人生でたった1本しかドラマを見られないとしたら、私は迷いなくこれを選ぶだろうと思います。

さくらももこエッセイ『焼きそばうえだ』ブラックユーモアが光る一品。

数あるさくらももこ作品のうちでも、「さくらももこ最大の問題作」だと話題の本作。 「お金のあるオトナが本気でふざけてる」感を楽しめます。

ルシア・ベルリン著『掃除婦のための手引き書』が面白い!リアルな痛みを孕んだ物語

この小説、書評欄とかでよく見るのでずっと気になっていまして… タイトルからなんとなく「清掃員のためのノウハウ本」的な内容なのか…?などと早合点していたのですが、いやはや…全く違いました。 先入観って怖いね!

芦田愛菜主演映画 『星の子』(原作・今村夏子)宗教は人を幸せにするのか?

原作小説がすごく好きで何度も読み返しているんですが… うーん、やっぱり気になるんですよね。ラスト、結局なにも解決していない気がして。いや、それでいいのか…

宮沢賢治『土神ときつね』が面白い!三角関係の末の悲劇 童話と寓話の違いとは?

今回は宮沢賢治作品のうち、個人的にすごく好きな掌編を考察します。

【直木賞受賞作『私の男』】官能表現の裏には何が隠れてる?

第138回直木賞受賞作であり、映画化もされている衝撃作、桜庭一樹さん著『私の男』を読んで思ったことを語ります。

【感想】『シャーロックホームズの冒険』短編小説「ボヘミアの醜聞」「赤毛組合」「花婿失踪事件」

今回は、シャーロックホームズシリーズの短編集『シャーロックホームズの冒険』収録作品のうち3編の感想をまとめました。

「おひとりさま」を楽しみたくなる!益田ミリのおすすめエッセイ3選

今回は「おひとりさま」を楽しみたい人にぴったりのエッセイをご紹介したいと思います。

【死と別れを描いた衝撃の児童書】松谷みよ子著『モモちゃんとアカネちゃん』シリーズ

今回は有名童話シリーズ「モモちゃんとアカネちゃん」をご紹介します。

酒寄希望 著『酒寄さんのぼる塾日記』が面白い!女芸人カルテット「ぼる塾」の魅力とは?

近頃、遅ればせながら、女性お笑いカルテット「ぼる塾」さんにハマっています。

「優等生ほどメンタルが弱い」は本当? 世の中には2種類の優等生がいる

「学生時代に優等生であった人ほど、メンタルは弱い」。世の中には、こういう考え方がありますよね。

モンゴメリ「赤毛のアン」シリーズ (小説全7巻・訳 村岡花子)アンという一人の少女が大人の女性に成長するまで 

今回は、不朽の名作「赤毛のアン」シリーズの小説の感想をまとめました。

【金子みすゞ】みんな違って、みんないい?

どうも、いとのです。 本日は、かの有名な童謡詩人、金子みすゞさんのお話を。

サン=テグジュペリ著『星の王子さま』王子さまが教えてくれたこと「大切なものは、目には見えない」

今回は、全世界から愛される殿堂入りファンタジー『星の王子さま』を語ります。

中原中也『春日狂想』「愛する者が死んだ時には、自殺しなければならない」死をテーマとした作品の重み

今回は、中原中也の「春日狂想」という詩をご紹介します。

短編集『きみのためのバラ』感想

どうも、いとのです。 今回は、池澤夏樹さん著『きみのためのバラ』という短編集をご紹介します。以前、NHKあさイチの特集で紹介されたことでも有名な本ですね。

【山田詠美著『姫君』感想】支配したい欲と支配されたい欲

今回は、山田詠美さん著『姫君』という作品について語ります。